「コラーゲン」とは?美容や健康のために重要な働き

「コラーゲン」とは?美容や健康のために重要な働き

「コラーゲン」と聞くと、「美容や肌、健康に良さそう!」という漠然としたイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。テレビやネットでコラーゲン商品のCMを見ることがありますし、ドラッグストアではコラーゲンドリンクや大容量のパウチに入ったコラーゲンパウダーもたくさん売られていますよね。私たちにとってとても身近な成分ですが、その実態がどういうものかというのをしっかりとご存知の方は多くはないでしょう。

今回の記事では、コラーゲンが肌の中でどういう役割を担っているのか、そしてスキンケアでコラーゲンを肌につけた時に、どう肌に働きかけているのかをご紹介したいと思います。

目次

タンパク質の1種であり身体のあらゆる組織で重要な働きをする「コラーゲン」

コラーゲンは元々私たちの体内にある成分です。タンパク質の1種であり、肌だけではなく、骨や軟骨、血、じん帯、角膜など身体のあらゆる組織の中で重要な役割を果たしています。例えば関節炎や骨粗しょう症、老眼などの症状はコラーゲンの減少も大きく関係して起こっています。

肌におけるコラーゲンの働きも非常に重要です。別の記事で詳しく紹介していますが、皮膚は外部に触れている表面から順に表皮、真皮、皮下組織の3層に分かれており、真皮層の約70%をコラーゲンが占めています。真皮の中の線維芽細胞(せんいがさいぼう)がコラーゲンを作り出していて肌のハリや弾力を高める働きをしているのです。加齢によりコラーゲンが変性したり、量が減ったりするとシワやたるみが気になるようになります。

コラーゲンは年齢とともに減少。紫外線や乾燥の影響も受けるので日焼け止めとスキンケアをきちんとおこないましょう

前項でも触れたとおり、コラーゲンは加齢とともに減少します。また、紫外線や乾燥も線維芽細胞にダメージを与えるのでコラーゲンを産生する力が弱まってしまいます。特に顔は常に紫外線を浴び、外気の乾燥にさらされているので、コラーゲンの分解が早く進んでしまいます。30代後半に差し掛かった頃から肌のシワやたるみが気になるようになるのは、肌の中のコラーゲンの減少も大きな要因の1つと言えるでしょう。コラーゲンの減少を防いで健やかな肌を保つためには、若いうちから日焼け止めを塗って紫外線を防ぎ、しっかり保湿ケアをして肌の水分を保つことが大切です。

スキンケアとしてのコラーゲンの種類と特徴

コラーゲンは元々肌に存在しますが、化粧品に配合されているコラーゲンは豚や魚などの動物の皮や鱗から抽出したタンパク質から得ています。化粧品でコラーゲンと呼んでいるものは水溶性コラーゲンか、それより分子を小さくした加水分解コラーゲンのことを指しており、分子の大きさが異なるので肌への働きや効果が異なります。

分子が大きい基本のコラーゲン(水溶性コラーゲン、アテロコーラゲンなど)

肌の表面上で水分の蒸発を防ぐ役割があり、肌の表面を保湿する効果にとても優れています。

分子の小さいコラーゲン(加水分解コラーゲン、コラーゲンペプチドなど)

表皮の角層内部まで浸透し、角層の水分を保つ効果があります。低分子なので角層のすみずみまで浸透しうるおいを届けます。

スキンケアでコラーゲンをつけた時の効果は?

コラーゲンは、化粧水や美容液、乳液、クリーム、フェイスマスクなどさまざまなタイプの商品に幅広く配合されていますが、ここではコラーゲンをスキンケアで肌につけることで得られる主な美容効果を確認していきましょう。

乾燥の改善

真皮に元々存在しているコラーゲンと化粧品のコラーゲンは別物なので、コラーゲン配合の化粧品でスキンケアをおこなっても、真皮の中のコラーゲンそのものを増やす効果は残念ながらありません。化粧品に配合されたコラーゲンは肌を保湿する効果に優れていて、肌表面で水分の蒸発を防ぎ、分子の小さい加水分解コラーゲンなら角層のすみずみまでうるおして、乾燥から肌を守り健やかな肌状態に導きます。

乾燥が厳しい秋冬はもちろん、夏でも室内外の気温差で乾燥が気になる時はコラーゲン配合の商品を選ぶとよいでしょう。コラーゲン配合の商品はゲル状のタイプも多いですがヒトの肌では液体状になり肌をうるおいで満たします。また、フェイスマスクも肌を満遍なく保湿できるのでおすすめです。

肌の弾力やハリ感をキープ

肌が乾燥するとバリア機能が低下し紫外線や外的刺激などのダメージを受けやすい状態になるため、真皮に存在するコラーゲンが分解されやすくなってしまいます。先に書いたとおり、コラーゲンを肌につけても真皮中のコラーゲン量を増やすことはできませんが、高い保湿効果は期待できます。つまり、結果としてダメージから肌を守り、弾力やハリ感をキープすることにつながります。

コラーゲンと他成分が合わさるとより大きな相乗効果が期待できる!

コラーゲンと他の成分が一緒に配合されることで、より高い保湿効果や肌のハリ感アップが期待できます。よく知られた成分との組み合わせでは下記のような効果が高まります。

・ヒアルロン酸:肌の保湿力アップ、シワ予防

・ビタミンC:肌のハリ、弾力アップ

・エラスチン:肌のハリ、弾力アップ、乾燥予防

・レチノール:肌のハリ、弾力アップ、シワ改善

コラーゲンで肌の乾燥を防ぎ、ハリ感や弾力をキープしましょう

肌の真皮に元々存在しているコラーゲンは、肌のハリや弾力の役割を担い健康と美容のために欠かせない成分で加齢や紫外線などの刺激によって減少してしまいます。スキンケアとして肌につけるコラーゲンは、肌の内部のコラーゲン自体を増やすことはできませんが、肌の水分蒸発を防ぎ、肌をうるおすことで真皮内のコラーゲンが破壊されるリスクを減らしています。ぜひ毎日のお手入れでコラーゲン配合コスメを取り入れて、乾燥を防ぎ、肌のハリ感や弾力を保っていきましょう。

この記事を書いた人

田路暢子のアバター 田路暢子 美容ライター

大手化粧品会社の広報担当として約14年従事。その後、美容ライターとしてファッション誌STORYなど女性メディアを中心に活動中。化粧品会社時代に得た知見を元に肌をアップデートできるコスメをデパコスからドラコスまで守備範囲広く探究。コスメ薬機法管理者、日本化粧品検定1級、特級コスメコンシェルジュ。

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