目元は印象を左右する大事なパーツです。一方で、乾燥やエイジングサインをはじめとする肌トラブルが出やすく、頭を悩ませている人も多いのでは?目元美人を目指すためには正しいケア方法をマスターすることが大切です。
そこで、今回は、美容ライター兼エイジング美容研究家である國光ともこさんに、普段取り入れていらっしゃる目元の乾燥を防ぐスキンケアについてうかがいました。すきま時間に簡単にできるセルフハンドマッサージや今日から取り入れられるテクニックなどを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目元の肌はデリケート!特別なケアが必要
普段のお手入れでパーツごとの違いを意識していますか?実は、目元の肌こそ丁寧なケアが必要です。まずは目元の肌特有の性質についてチェックしましょう。
目元は超薄肌地帯!デリケートなその構造とは
特別なケアが必要な理由は目元の肌の構造にあります。目元の肌の厚みは体全体で見ても特に薄く、頬と比較すると実に3分の1程度しかありません。
肌の大部分を占める真皮が薄いのはもちろん、肌表面を覆う角質層も薄いことから、外部刺激から肌をガードするバリア機能が低いという弱点も。つまり、目元の肌は他のパーツよりとてもデリケートなのです。
また、目元は肌の薄さからトラブルが目立ちやすいパーツでもあります。厚みが少ないために肌の下に流れる血行状態やメラニンの沈着の様子が見た目に表れやすく、黒ずみ、クマ、シミなどが目立ちやすいのです。疲れた印象や年齢サインが目元に反映されやすいのは、肌の薄さが関係しているのですね。
薄くデリケートな構造だからこそ、目元の肌には配慮が必要です。目元の肌を上手くお手入れするコツは、基本のスキンケアに特別なケアをプラスすることにあるといえます。
目元周りの「乾燥」、老け見えの原因かも?
数ある目元の肌トラブルの中でも代表格といえるのが「乾燥」です。目元は肌が薄いだけでなく、皮脂を分泌する皮脂腺が少ないパーツでもあります。
皮脂は肌のうるおいのもとであり、汗と混じり合うことで肌表面から水分が逃げていかないようベールをつくる役割をしています。皮脂の少ない肌は、うるおいを肌内部にとどめる力が強くありません。つまり、皮脂腺が少なく皮脂の分泌が少ない目元の肌はそのぶん乾燥しやすいのです。
にもかかわらず目元の肌は、乾いた外気、紫外線、メイクやクレンジングによる摩擦など、日常的に乾燥リスクにさらされています。目元の肌を取り巻く環境はとても過酷なのです。
乾燥は、気になる目元周りのカサつきはもちろん、目の下や目尻などに乾燥小じわを引き起こします。加えて、乾燥で肌のバリア機能が十分に働かなくなると肌内部の水分が失われ、ハリや弾力まで失われていきます。そこからさらに深いシワやたるみへとつながるケースも。
乾燥こそ目元の老け見えへの第一歩です。間違った目元周りのケアや、お手入れ自体がおろそかになることで、目元の魅力を自ら半減させるのはとても残念だと思いませんか?そうならないために、目元周りには丁寧なケアを心がけましょう。魅力的で若々しい印象をキープするカギは、日常レベルで目元の肌ケアを意識することにあるのです。
目元の肌の正しいスキンケア
デリケートな目元の肌には、お手入れするうえで必ず気をつけたいポイントがあります。間違った方法でスキンケアを台無しにしていませんか?日頃の方法を見直してみてくださいね。
実はやりがち!目元の肌ケアを台無しにするNGスキンケア
目元の肌に気を遣っているつもりでも、間違った方法でかえって負担をかけているケースは少なくありません。たとえば、目元周りのメイク汚れを素早く落とそうと強いクレンジング剤を使ったり、濃いアイメイクをしっかり落としたいがために目元の肌をゴシゴシ擦ったりしていませんか?
デリケートな目元周りに刺激や摩擦は禁物です。毎日のスキンケアで特に気をつけたいのが、やはりクレンジングの方法。目元の肌に必要以上の負担をかけないよう、クレンジング剤は優しく丁寧になじませましょう。しっかりアイメイクした日など、落ちにくい場合は目元専用のリムーバーを使うのもおすすめです。
スキンケア以外でも気をつけたい習慣があります。たとえば、過度なダイエットも要注意。栄養不足や冷えで血行不良に陥れば代謝の低下を招き、肌乾燥やクマの原因となります。
そして、目元の肌へのNG行為で見落としがちなのが目の酷使です。いまやパソコンやスマホが手放せない時代。目の使い過ぎによる眼精疲労は現代病と言われています。眼精疲労が、目の充血、ドライアイ、かすみ目などの症状を引き起こすことはよく知られていますが、実は目の周りの肌にまで影響を及ぼすのをご存じですか?
眼精疲労で目の周りの血行が悪化すると、クマ、目の下の黒ずみ、かさつきなど、さまざまな肌トラブルへと発展します。美しい目元をキープするためには、スキンケアだけでなく、目を酷使する習慣も見直すことが大切なのです。
パソコンやスマホ作業の合間には、こまめに目を休める時間をとりましょう。そして目の疲れをセルフマッサージでほぐす際は、グイグイと力を込めないよう気をつけてくださいね。
普段の何気ない行動や習慣が、実は美しい目元づくりのじゃまをしていることもあります。NG習慣は断ち、正しい方法で目元の肌をケアしていきましょう。
目元美人に導くスキンケアのポイント
目元の肌ケアの秘訣は、摩擦や刺激を避けて「優しくお手入れすること」、そして「しっかり保湿すること」にあります。
普段ちゃんとお手入れしているつもりでも、目元の保湿が不十分なケースは少なくありません。スキンケアの際、おでこや鼻から頬周辺にかけてたっぷり化粧水や乳液を塗るのに、肝心の目周りはおろそかになっていませんか?
乾燥しやすい目元の肌には特に念入りな保湿が必要です。しっかり保湿するために、肌の隅々まで基本のスキンケアを徹底するのはもちろん、目元の肌のためのプラスワンアイテムで効果的にケアしましょう。
目元の肌の保湿に使用するアイテムは、目元専用の美容液やクリーム、部分用マスクなどがおすすめです。美容液やアイクリームは指でポンポンと軽くのせるようにして優しくお手入れしてくださいね。また、部分用マスクは、一般的なシートマスクではなかなかカバーできない目元をしっかりケアできる便利アイテムです。貼るだけで、たっぷりの保湿成分や美容成分で気になる部分をスペシャルケアできますよ。。
肌の乾燥対策は美肌を目指すうえで永遠のテーマ。魅力的な目元を目指すためには、毎日の保湿スキンケアの積み重ねが大きな意味をもつのです。
自宅でできる目元周りのケア方法
目元のスキンケアは毎日続けることが重要です。そして、お手入れをストレスなく継続させるには、手軽で続けやすいことが大事になります。そこで美容好きの筆者が実践している自宅で簡単にできる目元ケアを紹介します。
簡単目元トレーニングでスッキリ
クマ、目の下の黒ずみ、目元の肌のカサつきなどが気になるときは、短時間で簡単にできるエクササイズやトレーニングがおすすめです。アイメイクしたままでもできる簡単方法で、スキマ時間にサクッと目元をリセットしてくださいね。
スッキリ目元をつくる!眼輪筋エクササイズ
目の周囲をぐるりと囲む眼輪筋(がんりんきん)はデスクワークに集中してまばたきが減ると衰えてしまいます。それが目元のクマ、小じわ、もたつきなどを招く原因に。目を開け閉めするだけのエクササイズなら、いつでもどこでも実践できますよ。




- 額にしわが寄らないよう、眉の上から生え際までの間に片手を添えて皮膚が動かないように軽く押さえる
- 目をギュッと閉じ、そのまま5秒間キープする
- 目をパッと見開き、そのまま5秒間キープする
- 1~2を5回繰り返す
エクササイズに慣れないうちは、額にしわが寄ってしまって目元ケアをする代わりに額にしわができやすくなってしまいます。余計な部分に力が入らないよう、手のひらを優しく額に添えてしわがよらないようにおこなってくださいね。
顔の他のパーツまで一緒に動かないよう、まぶたの開け閉めに意識を集中させること。ゆっくり深呼吸しながらおこなうと気持ちまでリラックスします。「ドライアイで目がつらい」そんな人にもおすすめのエクササイズです。
めぐりUPでパッチリ!いいねプッシュ×まばたき
目元の肌トラブルは寒さや目の酷使によるめぐりの低下と深く関係しています。とはいえ、デリケートな目元に自己流マッサージはおすすめできません。目元の肌になるべく負担をかけないエクササイズでめぐりUPを目指しましょう。


- 左右の手をグーにし、親指を立てて指の腹で眉頭の下を押す
- そのまま30秒程度パチパチまばたきする
親指で眉頭を押す際は、爪を立てないよう気をつけてくださいね。親指は眉に沿って横向きに添えると圧がかかりすぎません。日頃疲れ目などで眉間にしわが寄りがちな人は、左右の親指を耳側に軽く引くようにして眉間の縦じわのクセを伸ばしながらおこなってみてください。
忙しくてもできる!美容マニアの裏ワザ目元スキンケア5選
目元スキンケアの肝である乾燥対策の小ワザを5つ紹介します。簡単に実践できるものばかりなので、ぜひトライしてみてくださいね!
1.日中のうるおいチャージは保湿スティックで
日中、目元周りの乾燥が気になったときは、スティック美容液でうるおいチャージが便利です。スティック美容液は美容液をリップスティック状に固めたアイテムで、もち運びしやすく、メイクの上から使えます。気になる部分に塗り込むことでミストを降りかけるよりピンポイントでしっかり保湿でき、メイク直しにとても重宝しますよ。
2.ポイント美容液はオイルタイプを
皮脂量の少ない目元周りのためのポイント美容液にはオイルタイプがおすすめです。オイル美容液は他のタイプの美容液と比較して油性成分の割合が多いのが特徴。ゴワついた肌をしっとり和らげつつ、肌内部の水分をしっかり閉じ込めます。
3.しっとりバームでクレンジング
目周辺のメイク汚れはアイリムーバーで落としていきますが、目より少し離れたあたりの目元のメイクオフには全顔用のクレンジングアイテムを使いますよね。そこで、クレンジング剤をしっとりした使い心地のバームタイプにしてみるのも手です。バームクレンジングは肌当たりが柔らかく、指でくるくるとメイクを落としていくと同時にセルフハンドマッサージも楽しめます。
4.蒸しタオルやホットアイマスクで目元の温活
目元のめぐりUPのために温活を始めませんか?蒸しタオルパックや市販のホットアイマスクなら簡単です。蒸しタオルパックのやり方は、まずタオルを水で濡らして絞り、600Wの電子レンジで40秒程度あたためてから目元に乗せるだけ。血行が高まり、目元がフッと軽やかになります。蒸しタオルパック後は肌の水分が蒸発しやすくなっています。時間を空けず保湿ケアを行ってくださいね。
5.部分用マスクでながら美容
本格的な目元の肌の保湿には部分用マスクがおすすめです。全顔用のフェイスマスクと違い、気になる目元の肌の乾燥を集中的にケアできるのが部分用マスクのメリット。小じわやくすみができやすいデリケートな目元こそ、しっかり保湿することが大切です。お手入れしたい部分にサッと貼れば、ピンポイントでスペシャルケアが可能。そんな手軽さが忙しい時のながら美容にぴったりです。
まとめ
今回は、目元の肌の構造とケアの重要性や目元の肌の正しいスキンケア、自宅でできる目元周りのケア方法を美容ライター兼エイジング美容研究家の國光ともこさんに紹介していただきました。デリケートな目元の肌には適切なケアが欠かせません。確かなお手入れを続けていくことで、あなたの目元の印象は大きく変わることでしょう。毎日の肌ケアで若々しく輝く魅力的な目元を手に入れてくださいね!