肌にとって欠かせない保湿成分として知られる「セラミド」。スキンケア商品を紹介するTVCMや美容誌などで見聞きすることもよくありますよね。ただ、「肌に良いことは知っているけれど、どういうものなのかわからない」という方も実際のところとても多いのではないでしょうか。そこで今回の記事では「セラミド」がどういった成分なのか、そしてどう肌に働きかけて、どういう効果をもたらすのかをご紹介します。
バリア機能が正常に働くために大切な役割を担う「セラミド」
「セラミド」についてご紹介する前に、別の記事にもありますが肌の「バリア機能」の仕組みについて簡単にご説明します。
肌は外界に接している表面から順番に表皮、真皮、皮下組織の三層から成り立っています。三層それぞれの中にさらに層や組織が細かく分かれ存在しますが、なかでも表皮の一番上に存在する「角層」はバリア機能を担い、健やかな肌を保つためにとても重要な働きをしています。「セラミド」はその角層に元々存在し、バリア機能が正常に働くために欠かせない成分です。
角層の中にあるレンガのように並んだ角質細胞のすき間を糊(のり)のように埋める働きをする細胞間脂質の大部分がセラミドでできています。セラミド自体は脂質(油分)ですが、水分をしっかりと挟み込み水になじみやすいため、水と油が交互に重なり合う「ラメラ構造」を形成して、雑菌やウィルスなどが肌内部への侵入するのを防いだり、水分が蒸発しないよう肌にとどめたりと「バリア機能」を強化しています。加齢や摩擦などによってセラミドが減少すると、バリア機能は低下し乾燥や肌あれを引き起こします。
セラミドは加齢により減少するので日々のスキンケアで対策を!
前項でも触れたとおり、セラミドは加齢とともに減少します。20代の肌には豊富なセラミドが存在するのでみずみずしいふっくらとした肌をキープできますが、30代頃から徐々に減少しはじめ、45~50代には20代の半分程度になると言われています。セラミドが不足すると、角層の中の細胞間脂質が満たされないためにバリア機能が低下し乾燥を感じるようになります。年齢による減少は避けることはできないので、スキンケアを通して補っていくことが大切です。
スキンケアとしてのセラミドの種類と特徴
元々人の肌に存在するセラミドですが、化粧品に配合されるセラミドには4種類あります。動物から得られる動物型、ヒトにあるセラミドに似せてつくられたヒト型、植物型セラミド、合成でつくられる疑似セラミドです。浸透力を求めるならば、動物型とヒト型がおすすめです。
特にヒト型セラミドは、人間の肌への親和性が高くスキンケア効果もより期待できます。下記のように構造別による種類があり、目的別で化粧品に使用されています。
セラミドEOP(セラミド1)
肌の弾力を高める特徴があり、乾燥肌やエイジングケア商品に配合されることが多い
セラミドNG(セラミド2)
セラミドの中でも極めて保水力に優れ、保湿や肌あれ防止商品に配合されることが多い
セラミドNP(セラミド3)
バリア機能のサポート優れ、敏感肌用商品に配合されることが多い
セラミドAP(セラミド6)
ターンオーバーの正常化や促進に効果があり、エイジングケア商品に配合されることが多い
ただ、ヒト型セラミド配合の商品は高価な場合が多いので、継続が可能かも鑑みて商品を選ぶとよいでしょう。
スキンケアでセラミドをつけた時の美容効果とは?
セラミドは化粧水や美容液、乳液、クリーム、フェイスマスクなどさまざまなタイプの商品に幅広く配合されていますが、ここではセラミドをスキンケアで肌につけることにより得られる主な美容効果を確認していきましょう。
乾燥の改善、水分保持
セラミドは水になじみやすい性質なので、角層の中で水分を抱え込み肌のうるおいを保ちます。その保水効果により、肌の乾燥を防いで、ふっくらとしたやわらかな肌に導く効果が期待できます。
乾燥小ジワの改善
セラミドが表皮の角層に浸透し細胞間脂質を満たすと角層の水分量が上がります。肌の水分不足が主な原因となってできてしまう乾燥小じわを薄くする効果が期待できます。
バリア機能が整い健やかな肌に
角層の中の細胞間脂質が水分で満たされるとバリア機能が整い、紫外線やウィルス、花粉などの外部刺激から肌を守ります。水分の蒸発も防げるため、肌を健やかな状態に保ちます。
セラミドは脂質(油分)で水に溶けにくいので、化粧水には多くの量を配合することはできません。 美容液や美容液タイプのフェイスマスク、乳液、クリームでセラミドを補給する方が効果的です。もちろんセラミドが配合された化粧水や化粧水タイプのフェイスマスクもたくさんあるので、自分の肌に合ったお好みの商品を選んでください。
セラミドと他成分が合わさるとより大きな相乗効果が期待できる!
セラミドと他の成分が一緒に配合されることで、より高い保湿効果やバリア機能の強化が期待できます。よく知られた成分との組み合わせでは下記のような効果が高まります。
・ヒアルロン酸:肌の水分量アップ、乾燥防止
・コラーゲン:肌のハリと水分量アップ
・アミノ酸:肌の水分の維持、乾燥防止
・ビタミンC:ハリ感アップ
・プラセンタエキス:ターンオーバー促進
ヒアルロン酸やコラーゲンはいずれも保湿効果をアップさせる成分です。成分によって肌の中での働きが違うため、複合的に組み合わせることで肌のうるおいをより高められます。
セラミドでバリア機能を整えて、うるおいのある肌をキープしましょう
セラミドはコスメの中の代表的な成分であり、肌の保湿やバリア機能を整えるために欠かせない成分です。セラミドが配合された商品はドラッグストアで手軽に購入できるものから、高価格帯の商品までさまざま存在しますので、自分の肌質に合うのはもちろん継続のしやすさという観点でも選ぶとよいでしょう。日々のスキンケアでセラミドを取り入れて肌のうるおいをキープしてくださいね。