日々のスキンケアに足しやすいアイテムです。正しく使うことで、スキンケアの効果を引き出しやすくなるでしょう。
そこで今回は、美容家の並木まきさんに、導入美容液の使い方や注意点についてうかがいました。自分に合う導入美容液の選び方や効果的な使用法などを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
導入美容液とは?効果と役割
導入美容液は「ブースター」ともよばれていて、スキンケアの最初に使う美容液のことです。洗顔後すぐに使用することを想定してつくられており、肌をうるおしやわらかくほぐすことで、導入美容液の後に使う化粧水や美容液の浸透※を高める役割があります。
最近では「バリア機能が低下する」という話題をよく見かけます。一般にすごく悪いことのように聞こえてしまっていますが、肌表面のバリア機能は入浴などで肌がふやけることによっても一時的に低下します。放っておいても、数十分〜数時間程度で元に戻るものです。
ただし、戻るからと放っておくのでははく、水分と油分を新たに足すスキンケアをすることが重要だと考えられます。
また、近年ではリポソーム化やナノ化といった技術が化粧品にも応用されるようになり、肌への浸透※をサポートする方法が広がっています。
普段から使っている化粧水や美容液はそのまま使い続けながら、プラスワンで追加できるアイテムでもあり、肌の状態に応じて足し算しやすい点も魅力です。「スキンケアの浸透が悪い」「化粧水をつけても肌が乾燥する」と感じる人にとくにおすすめのアイテムとして、近年では選択肢も増えています。
※ 角質層まで
導入美容液の効果・役割
導入美容液には、肌をやわらかくして化粧水や美容液がなじみやすい状態に整える働きが期待できます。そのため、導入美容液を使うお手入れによって、その後のスキンケアの効果も引き出しやすくなるでしょう。
乾燥や角質の蓄積によってゴワつきが出ていたり化粧水のなじみが悪くなっていたりする肌をやわらかく整え、スキンケアの満足度向上を狙えることから、世代を問わずに取り入れやすいアイテムの1つです。
導入美容液と美容液の違い
導入美容液と通常の美容液の大きな違いは、使う順序と目的にあります。スキンケアのブースターでもある導入美容液は、スキンケアの最初に使う仕様が多く、洗顔後すぐに肌に塗っていきます。最初に塗るのは、化粧水や美容液のなじみをよくするのが目的だからです。
一方の美容液は化粧水の後に使うものが一般的で、スキンケアの中盤から後半に使用します。美容液はブライトニングケアやエイジングケア、シワケアなどの悩みにアプローチするものを選びましょう。医薬部外品の美容液もあるので、チェックしてみてください。
このように、導入美容液と美容液には異なる部分があります。そのため「導入美容液を使っているから、美容液は使わなくて大丈夫」ということにはならず、それぞれを併用するのがおすすめです。
導入美容液の選び方
満足のできる導入美容液を選ぶにあたっては、自分の肌質や求めているテクスチャー、予算によってもポイントが変わってきます。最近では多くの選択肢がある導入美容液の選び方について、詳しく解説します。
タイプ別の選び方
「導入美容液」とひと口に言っても、そのテクスチャーはさまざまです。代表的な3種類について、それぞれのタイプに向いている人を解説します。
オイルタイプ:肌が乾燥しやすい人やカサつきを感じやすい人向き
ジェルタイプ:さっぱり感が好きな人やベタつきが苦手な人向き
ウォータータイプ:軽めの使用感が好きな人やなじみのよさにこだわる人向き
ただしテクスチャーが好みであれば、必ずしもこれらのタイプ別にこだわる必要はありません。
自分が使っていて「心地よい」と感じるものを選ぶのがベストです。
また、近年は炭酸タイプや発酵タイプの導入美容液もあり、バリエーションが豊富に。自分が使いやすいと感じるテクスチャーで選ぶと続けやすいでしょう。
肌質別の選び方
導入美容液の選び方に迷ったら、乾燥肌、敏感肌、脂性肌、年齢肌…など、自分の肌の状態や肌質に合わせて選んでいきましょう。
保湿を重視するならば、ヒアルロン酸やグリセリンが入っているもの、ブライトニングケアを意識するならビタミンC誘導体やアルブチンが入っているもの、キメをふっくら整えたいならナイアシンアミドやアミノ酸が配合されているものなど、成分に注目するとよいでしょう。
価格帯別の選び方
導入美容液はプチプラのものから高価なものまで、幅広い価格帯で展開されています。高価なものが必ずしもよいわけではなく、自分が続けやすい価格帯で選ぶのもポイントです。
価格だけにとらわれず、自分の肌に合う使用感で選ぶのがベストです。商品の詳細説明を見て、いまの自分の肌に合いそうなものから試してみましょう。
導入美容液の効果的な使い方・注意点
導入美容液はスキンケアの最初に使うよう書かれているものが多くありますが、それぞれの商品により使い方が異なるため、パッケージにある説明をよく読みましょう。
そのうえで、導入美容液を使うにあたって効果的な使い方や注意点について解説します。
適量を守る
商品ごとに適量は異なりますが、おおむね1〜2プッシュ(または数滴)が目安です。つけすぎると肌に負担をかけたりドロドロしてしまって、後のスキンケアがなじみにくくなることがあります。
また、気温が低い時期には手のひらで軽く温めてから使うと、肌になじみやすくなるでしょう。
しっかりなじませてから次のスキンケアをする
導入美容液は、雑に塗り込むのではなくしっかりと肌になじませましょう。肌がしっかりうるおっている肌は化粧水や美容液がなじみやすいです。
そのため、塗ってすぐに次のお手入れをするよりも、導入美容液がしっかりなじむだけの時間を置くのがポイント。目安としては30秒ほど経ってから、次のお手入れに進みましょう。
なお商品によっては「○分ほどあけてから化粧水を塗る」と具体的に書かれているものもあるので、個別に注意書きがある場合には、推奨される使用法を守ることが大切です。
塗った後にはやさしくおし込むようにハンドプレスをすると、上から重ねる化粧水や美容液のなじみ具合がよくなります。
ゴシゴシと塗り込まない
導入美容液は、洗顔後最初に肌に塗っていくものなので、ゴシゴシと塗り込んでしまうと肌への摩擦や刺激が心配です。次に重ねる化粧水や美容液がベタベタにならないよう、つい導入美容液をゴシゴシと塗り込みたくなることもありますが、絶対にやめましょう。
また肌をこするように塗り込むのも、必要以上に摩擦が起きやすいことから、やさしくハンドプレスをするように塗っていくのがおすすめです。
まとめ
今回は、導入美容液の効果や注意点を美容家の並木まきさんに紹介していただきました。導入美容液は上手に取り入れると、スキンケアへの納得感が上がるアイテムです。乾燥やカサつきが気になるときにも、導入美容液を使うことで満足度が上がりやすいかもしれません。普段使っている化粧水や美容液はそのまま使い続けながら、ワンランク上の美肌を目指せるのもメリットですから、ぜひ積極的に取り入れていきたいですね。