余分な皮脂分泌抑制や整肌効果が期待できる「アゼライン酸」「アゼライン酸誘導体」とは?

余分な皮脂分泌抑制や整肌効果が期待できる「アゼライン酸」「アゼライン酸誘導体」とは?

商品名に「AZ」や「AZA」などとついたコスメを見たら「アゼライン酸」もしくは「アゼライン酸誘導体」が主成分で配合されたコスメと思って間違いないでしょう。でも「アゼライン酸」がどういう働きをする美容成分なのか、きちんと理解されている方はまだそんなに多くはないですよね。配合成分を軸にコスメを選ぶ方が増えている今、「アゼライン酸」についてもしっかりおさえておきたいところです。

そこで今回の記事では、「アゼライン酸」「アゼライン酸誘導体」がどういった成分で、肌にどう作用するのか、またどんな肌悩みにおすすめなのかご紹介していきたいと思います。

目次

ニキビ治療薬として世界約80ヵ国で承認され、長年の使用実績がある「アゼライン酸」

アゼライン酸は、小麦や大麦など私たちも日常的に食べている穀物類に含まれる”アゼライン”から抽出される天然由来成分です。副作用のリスクがとても低く、肌への刺激も少ないので、世界約80カ国でニキビの治療薬として承認され長く使用されてきました。日本では医薬品ではなく化粧品にカテゴライズされ、皮脂対策や毛穴ケア、ニキビに悩む方に適した成分として注目されています。

「アゼライン酸」と「アゼライン酸誘導体」の違いについて

アゼライン酸の分子構造を変化させたものがアゼライン酸誘導体です。ここでは2つの違いについて確認していきましょう。

「アゼライン酸」とは

先に書いたとおり、アゼライン酸は海外で主にニキビなどの治療薬として使用されている成分です。優れた抗菌・抗炎症作用、皮脂分泌抑制作用などの効果を持ち、ニキビ対策や美白、シミ予防などを目的にスキンケアに配合されています。水に溶けない性質からクリームなど粘度が高いものやオイルベースの美容液に混ぜ込むように配合されています。

アゼライン酸の主な特徴

✔ 水に溶けないため、クリームなど粘度の高いものやオイルベースの美容液に配合される

✔ 強力な抗菌作用を発揮しアクネ菌の減少が期待できるため、ニキビに悩む方におすすめ

✔ 肌の赤みや色素沈着などにも効果的 

「アゼライン酸誘導体」とは

アゼライン酸誘導体は、アゼライン酸をアミノ酸と結合させることでその分子構造を変化させた成分です。アゼライン酸の持つ作用を維持したまま、より肌への浸透性が高く、低刺激性であることが確認されています。構造が変化したことで水溶性になり化粧水やウォ-ターベースの美容液にも配合が可能になります。

アゼライン酸誘導体の主な特徴

✔ 水に溶けやすいので、化粧水や化粧水タイプのフェイスマスクなどに配合が可能

✔ 皮脂抑制効果が期待できる 

✔ アゼライン酸よりも肌への刺激がなく、敏感肌や乾燥肌の方も使いやすい

✔ より肌にやさしい成分のため毎日のスキンケアに取り入れやすい

元々アゼライン酸は妊娠中や授乳中の方でも問題なく使えるほど比較的やさしい成分ですが、アゼライン酸誘導体にすることでより肌への刺激が少なくなります。それにより毎日のスキンケアに取り入れやすくなっています。

「アゼライン酸」と「アゼライン酸誘導体」のスキンケアとしての美容効果は?

アゼライン酸とアゼライン酸誘導体は、さまざまなタイプの商品に幅広く配合されていますが、ここでは肌に塗布することで得られる主な美容効果を確認していきましょう。

皮脂分泌を抑制

過剰な皮脂分泌を抑え、肌の水分と油分のバランスを整えます。オイリー肌の方におすすめ

毛穴のつまりの改善

皮脂分泌が抑えられることから毛穴のつまりを改善します。また毛穴の開きや黒ずみケアにも効果を発揮します。

角化の正常化

肌のターンオーバーを正常化して角質の蓄積を防ぐことで肌表面が滑らかになります。

抗炎症・抗菌作用

抗炎症作用により、顔の赤みを抑えます。

ニキビ対策

ニキビの原因となるアクネ菌を減らし、ニキビ予防やニキビの悪化を防ぐことが期待できます。ニキビ跡の色素沈着抑制にも効果を発揮します。

他成分との組み合わせについて

アゼライン酸およびアゼライン酸誘導体と併用することでより効果的な成分と、逆に肌への負担が大きくなってしまう成分がありますので確認していきましょう。

併用すると効果的な成分

・ヒアルロン酸やセラミドなど保湿成分

特にアゼライン酸は乾燥を引き起こすこともあるため、ヒアルロン酸やセラミド、ペプチドなどの保湿成分を組み合わせることで、乾燥を防ぎ保湿力を高める効果が期待できます。

・グリチルリチン酸ジカリウムなど肌あれ防止成分

肌あれが気になる人は、グリチルリチン酸ジカリウムやナイアシンアミドなどの肌あれ防止成分との併用で、肌あれを防ぎながら肌を整える効果を高めます。

併用を避けた方がよい成分

・高濃度ビタミンC

高濃度のビタミンCは刺激がとても強いため、併用は避けた方がよいでしょう。

・AHAなどピーリング成分

AHAなどのピーリング成分は、古い角質を取り除き肌のターンオーバーを促進する効果がありますが、併用すると肌への刺激が強い場合があります。

・ハイドロキノン

ハイドロキノンはシミやくすみを改善する美白効果がありますが、刺激が強いので併用はおすすめしません。

毎日朝と夜、「アゼライン酸」「アゼライン酸誘導体」配合のスキンケアで肌を整えましょう

朝は洗顔後、アゼライン酸誘導体配合の化粧水や化粧水タイプのフェイスマスクで水分を補給しながら、肌の水分と油分のバランスを整えましょう。その後のベースメイクも乗りやすくなり、日中も崩れにくい肌に仕上がります。

そして、肌は睡眠中に再生されるので、夜のスキンケアでもアゼライン酸配合のクリームなどでケアすれば、肌の再生力をサポートし肌本来の美しさを呼び起こします。

皮脂が気になる時や毛穴のつまりが気になる方は「アゼライン酸」「アゼライン酸誘導体」で肌を整えましょう

アゼライン酸、そしてアゼライン酸誘導体についてご理解いただけたでしょうか?ニキビが気になる方をはじめ、脂性肌や毛穴のつまりや黒ずみが気になる方にもおすすめの成分です。お好みの商品を選んで毎日のスキンケアで取り入れてくださいね。

この記事を書いた人

田路暢子のアバター 田路暢子 美容ライター

大手化粧品会社の広報担当として約14年従事。その後、美容ライターとしてファッション誌STORYなど女性メディアを中心に活動中。化粧品会社時代に得た知見を元に肌をアップデートできるコスメをデパコスからドラコスまで守備範囲広く探究。コスメ薬機法管理者、日本化粧品検定1級、特級コスメコンシェルジュ。

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