基本的なスキンケアアイテムの1つである乳液ですが、具体的にどのような効果があるのか、知らずに使用している人も多いのではないでしょうか?乳液は、化粧水とクリームを合わせたような、中間的なテクスチャーが特徴です。クリームと比べて水分の割合が多いため、みずみずしく、肌質を問わず使いやすいことも魅力です。
今回は美容家の上田麻里さんに、乳液の効果や乳液を使用する際のポイント、肌悩みに合わせた選び方についてうかがいました。乳液についての理解を深め、ぜひ日々のスキンケアに役立ててください。
乳液の効果
乳液を使用することで、基本的な「保湿効果」に加え、以下のような様々な効果が期待できます。詳しく見ていきましょう。
うるおいに蓋をする
乳液に配合されている油分が肌表面に膜を作り、化粧水で補給した水分に蓋をして、肌のうるおいを保つ効果があります。うるおいを保つことで肌のバリア機能をサポートし、肌のコンディションを良好に保つ効果も期待できます。
クリームと比べて油分の配合量は少なく水分の割合が多いため、ベタつきが気になる人の保湿ケアとしてもおすすめです。特に乾燥が気になる人は、乳液の後にクリームを重ねづけすることで、より保湿力を強化できます。
肌を柔らかくなめらかに整える
加齢や紫外線、乾燥などの影響で、肌のターンオーバー(生まれ変わり)の周期が滞ることがあります。その結果、古い角質が肌表面に残り、ゴワつきを感じやすくなります。
水分と油分がバランス良く含まれている乳液は、固くなりがちな角層を柔らかくほぐし、スキンケアの浸透をサポートする効果が期待できます。肌にうるおいを留めながら、なめらかな質感へと導きます。
キメの整ったふっくらとした肌に整える
乳液で水分と油分を適度に補い、油膜でうるおいを閉じ込めることで、キメの整ったふっくらとした肌を育む効果が期待できます。乳液をなじませた肌は、もっちりとした質感になり、ベースメイクののりもアップ!朝のメイク前のお手入れにもぴったりなアイテムです。
乳液を使用する際のポイント
乳液は適切に使用することで、効果を十分に発揮できます。以下のポイントを意識しながら使用しましょう。
使用するタイミングを守る
乳液を使う基本的なタイミングは、化粧水や美容液を使用した後です。補った水分や美容成分を乳液の油分で閉じ込めます。クリームを重ねづけする場合は、乳液の後に使用します。
ただし乳液先行型のアイテムについては、メーカーの推奨する方法で使用してください。
使用量を守る
乳液の1回分あたりの使用量は、製品によって異なりますが、10円玉大程度が目安です。少なすぎても多すぎても、期待した効果を得ることができないばかりか、肌トラブルにつながるリスクも否定できません。製品の効果を十分に発揮させるために、メーカーが推奨する使用量をきちんと守ることが大切です。
手のひらで温めてから塗る
乳液は、化粧水が肌に浸透してから塗るようにします。化粧水が肌になじむまで、1~2分程度の時間をおいて使用するとよいですよ。乳液を使用する際は、手のひらで少し温めてから塗ることで、より肌なじみがよくなり、効果的です。コットンを使用して塗ることもできますが、肌への摩擦を減らすためには、手で塗布するのがおすすめです。
こすらないよう優しく塗り広げる
ゴシゴシこすりながら乳液を塗ると、摩擦により肌のバリア機能が低下したり、シワやたるみを引き起こす要因となります。肌に刺激を与えないために、肌の上では手を優しく滑らせるようにしてなじませてください。
顔の内側から外側に向かって隅々まで塗り広げたら、特に乾燥が気になる頬や目もと、口もとなどには重ねづけを。最後に、両手で肌を包み込むようにしてハンドプレスすれば、手が肌に吸い付くようなもちもちの質感に!
【肌の悩み別】乳液の選び方
乳液には基本的な保湿ケアに加え、特定の肌悩みにアプローチする美容成分が配合されているアイテムもあります。ここからは、肌悩みに合わせた乳液の選び方を紹介します。
乾燥
特に乾燥が気になる肌には「ヒアルロン酸」や「コラーゲン」などの保湿成分や、「セラミド」などバリア機能をサポートする成分が配合されたものを選んでみてください。
肌表面を油膜でコーティングすることで、肌にうるおいを保つ「ワセリン」や「ミネラルオイル」を配合したものもおすすめです。特にかさつきが気になる部分には、丁寧に重ねづけしましょう。
エイジングサイン
肌のハリ不足やたるみ、シワなどのエイジングサインが気になる場合は「レチノール」や「ナイアシンアミド」などの美容成分が配合されたアイテムがおすすめです。若々しい印象の、弾力のあるハリ肌を目指せますよ。
年齢肌対策には保湿ケアも重要なので、乳液の後にクリームを重ねづけすると、より効果的です。エイジングサインが気になり始める早めのタイミングで使用することで、年齢サインの予防につながります。
シミ
シミが気になる肌には、美白有効成分を配合した医薬部外品の乳液がおすすめです。メラニンの生成を抑えて、シミ・そばかすを防ぐ効果が期待できる「ビタミンC誘導体」や「トラネキサム酸」「アルブチン」などを配合した、様々な乳液が販売されています。
成分によっては刺激を感じる人もいるので、自分の肌に合った美白有効成分を見つけてみてください。紫外線は季節を問わず降り注いでいるため、夏だけでなく、1年を通して使用しましょう。
大人ニキビ
20歳を過ぎてできはじめる大人ニキビは、肌の乾燥が原因となることがあります。化粧水後は乳液を使用して、うるおいを保持することが大切です。乳液はクリームと比べて油分が控えめなので、毛穴が詰まりにくく、ニキビ肌の保湿にも適しています。
ニキビ対策には、抗炎症や殺菌効果の期待できる「グリチルリチン酸ジカリウム」や「イソプロピルメチルフェノール」などの成分が配合された医薬部外品の乳液がおすすめです。
毛穴
毛穴には、いくつかの種類があります。過剰な皮脂の分泌が主な原因の「開き毛穴」には、「ビタミンC誘導体」や「アゼライン酸」などの成分を取り入れるのがおすすめです。
また30代後半頃から気になり始める、しずく型の「たるみ毛穴」は、肌の弾力不足が原因です。エイジングケア対策と同様に「レチノール」や「ナイアシンアミド」などが配合された乳液を選び、保湿の強化も心がけてください。
まとめ
今回は乳液の効果や乳液を使用する際のポイント、肌悩み別の選び方などについて、美容家の上田麻里さんに伺いました。乳液は、水分と油分をバランスよく補給しながら、うるおいの保持やバリア機能をサポートする効果が期待できます。正しく継続して使用することで、柔軟でなめらかな肌へと導いてくれるはずです。
この記事を参考に肌悩みに合わせて乳液を選ぶことで、より効率的に理想の肌に近づけるはずです。日々のスキンケアに上手に乳液を取り入れて、健やかな美肌を育みましょう。