わたしたちのように
自由に動くことのできない植物が鍛えたのは、
おかれた場所で生きてゆくための
ちからでした。
「カモミールは踏まれれば踏まれるほど良
く育つが、人の
青春は浪
費すればするほど
早く枯れる。」シェイクスピア
劇にそんな
台詞が
あるように、カモミールは、バラや
ハイ
ビスカスなどの大きな花た
ちの隙間で
も、日当たりの悪い
冬でもたくましく育つ
しなやかで強
靭な生命力をもちあわ
せてい
ます。
爽やかな薄紫色の花が一面に咲くラベン
ダー畑。日本では
北海道の
富良野や河口湖
などのラベンダー畑が有名です
が、ラベン
ダーの持
つ爽やかな色と清潔感のあるさわ
やか
な香りで愛され、人気の観光
名所とし
て知られています。
さらにその花から採れる精油は、香水、化
粧品、ハーブテ
ィーや料
理の味付けとして
など様々な使いみちがあり、と
っても多機
能。こ
のことからラベンダーは世界で最も
使わ
れている精油、アロマの初
心者がはじ
めに揃えるべき精油
とも言われています。
そんな言葉がありますが、数あるローズの
中でも特に高い
香りをも
ち「香りの女王」
とも呼ばれるのが、ダマスク
ローズ。「ダ
マスク
ローズなくして香水の名品は生まれ
な
い」とまで言われるその花を
使った精油
は、2,600本から
わずか1gしか採れないと
ても希少なも
のとしても知られて
います。
育つのが早いうえ、木を切り倒しても枯れ
ずにすぐにまた
成長を始
めるという、強い
生命力を持つティーツリー。自
然との深い
つなが
りの中でこのティーツリーとともに
生き
てきたのが、オーストラリ
アの先住民
たちです。煎じて飲
んだりエキスを塗布し
たりと、何千
年ものあいだ様々な用
途で親
しまれてきたのだといいます。
世界中で広く評価されるようになったのは
意外と最近で、
20世紀
に入ってからのこ
と。オーストラリアでは、この
自然の恵み
が非常
に重要であると考えられ、ティーツ
リー
精油の生産者は兵役が免除
されたとい
う逸話も残っている
ほどです。
冬至の柚子湯や、果皮を魚に添えたり、柚
子胡椒にして焼
き鳥の薬
味にしたり、ユズ
は古くから私たち日本人の生活
に深く根づ
いてい
ます。爽やかでフレッシュな香りを
持つ
ユズ精油は、海外で「Yuzu」
と表記
され、和精油として
今や世界でも人気を集
めています。
「桃栗三年、柿八年、柚の大馬鹿十八年」
といわれるよう
に、ユズ
は、種から実を実
らせるまでに通常15〜20年と
いう長い長
い年月
がかかります。成長が遅く、さらに
尖っ
た枝が実や収穫する人の手を
傷つけた
りするので管理が面
倒ということから、生
産効率がよくな
い、育てるのに難し
い植物
とされています。